担当デザイナー
吉田顕

2015年、セイコーウオッチ入社。入社後は欧州・米国向けのSEIKOブランドやプロスペックスのデザインを担当。2019年からは主にグランドセイコーのデザインに携わっている。
2015年、セイコーウオッチ入社。入社後は欧州・米国向けのSEIKOブランドやプロスペックスのデザインを担当。2019年からは主にグランドセイコーのデザインに携わっている。
「すき焼き」。それこそは私がこの世で最も愛する料理である。それは150年以上前、文明開化の時期に国民に広がり、伝統を守りつつも幾多の先人たちにより進化を遂げた料理である。すき焼きには究極のレシピが存在する。まず、すき焼きと誠実に向き合うためには一人で食すのが好ましい。具材も変にアレンジを加えずオーソドックスなものが良い。食材にはそれぞれ最高の食べごろがある。私は考えた。誰もが最高においしい「すき焼き」を味わうには?「すき焼き」への深い愛を抱きながら、料理⼈でも料理研究家でもない⾃分が、この料理のためにできることとは?たどり着いた答えは、とことん美味しいすき焼きを作るためだけのアイテムを開発することであった。
最初は何を言っているのかよくわからなかったよ。しかし打ち合わせを重ねるごとに、デザイナーの本物の情熱とパワーを感じた。わくわくしたね。我々は一枚目のお肉の焼き方に最もこだわっていて、美味しく食べてもらうことに全力を注いでいる。その工程がきっちりと機能で再現されている。また、全ての食材が最適な食べごろで出来上がるように我々はマニュアルを作っているけど、それを忠実に再現しているね。すき焼き作りへの愛を感じた。無理だろうと思っていたし、懲りない人だなと思っていたが、よくやり切ってくれた!「すき焼き」は突き詰めると科学。つまりは必ず数値が出てくる。それを時計で定量化するのは納得したね。
最高の「すき焼き」には、やはり経験の数も大事になってくる。もはや調理器具とも言えるこのウオッチを使いながら地道に経験を重ね、ぜひ自分なりのすき焼き道を歩んでいってもらいたい。