担当デザイナー
川村公則

2013年、セイコーウオッチ入社。入社後は欧州・米国向けを中心としたモデルを担当。2020年以降は国内向けブランドを担当。2020年以降はアストロンを担当し、現在はプロスペックスのデザインを担当している。
2013年、セイコーウオッチ入社。入社後は欧州・米国向けを中心としたモデルを担当。2020年以降は国内向けブランドを担当。2020年以降はアストロンを担当し、現在はプロスペックスのデザインを担当している。
かくれんぼ。それは「浪漫」である。一人ひとりが創意工夫を凝らし、姿を晦(くら)ませる。
鬼が徘徊する間は極限まで気配を殺し、たとえ仲間が餌食になろうとも決して声を上げてはならぬ。そして鬼を欺(あざむ)き抜いた瞬間に訪れるその快感は、なにものにも変えがたいものがある。
一方で、勘の良い鬼に当たるとあっという間に見つかってしまう。しかし鬼になりたい者はいない。そのため素早く鬼役から解放されるためにあらゆる手段をためらわない。始動までに与えられた時間は自己流に数え飛ばし、視界を覆う手の間隙(かんげき)からは逃げ惑うものたちの行方(ゆくえ)を垣間見る。まさに鬼の所業。そこで私は考えた。正しい鬼の在り方とは?たどり着いた答えは「ヒーローアイテム」。これさえあれば鬼はたちまち主役となり、ルールを守る立ち振る舞いは、誰もが認めるヒーローに相応しいものになるであろう。
こんなウオッチが欲しかった!実はかくれんぼには正式な国際ルールがあり、一試合の時間は10分と決まっています。鬼はスタートの合図から60秒後に探し始め、公式戦ではそれらの時間を審判が計測しています。このウオッチがあれば普段の練習にも困らないし、遊びの中でも鬼の存在感が際立ちます。カウント中のメロディーも良い。極め付きはこの「もういいかい、まーだだよ」のサウンド。かくれんぼ特有の緊張感をさらに高め、かくれんぼの楽しさが何倍にも感じられそうです。ゲーム制限時間の10分を計る機能は盛り込めますか?
これまで鬼はしばしば悪役とみなされ、ハズレの役回りとして多くの少年少女に忌み嫌われてきた。しかしこのアイテムの登場を境に、その認識は変わってゆくだろう。