究極のジュエリー感を実現した、独自のセッティング。
このクレドール(品番GTTE578)は、「セレステセッティング」という特別な方法でダイヤを留めています。「セレステ」はラテン語で「青い空」という意味。その名の通り、ダイヤモンドが圧倒的な存在感をもって、まるで時計本体から浮き上がっているように見えますよね。


この時にデザイナーが目指したのは、ダイヤモンドを最大限に輝かせるということ。そのために、「テーブル」と呼ばれるダイヤモンドの上面の部分からだけでなく、その側面や底面からも光を取り込むことができないかと考えました。あらゆる角度から光を受けたそのダイヤは、力強く輝き、私たちを魅了します。この「セレステセッティング」は、セイコーが独自に生み出したもので、ダイヤの「粒」が際立つ、輝きを最大限に引き出すセッティング方法だといえるでしょう。
セレステセッティングでは18Kゴールドにしか宝石を留められないのですが、セイコーが新しいセッティング方法を開発することで、最近ではステンレス素材の上にも、このようなジュエリー的セッティングを行うことが可能になっています。
あらゆる角度から光を取り込むことで、そのダイヤモンドは存在感を持って強く輝く。その光の美しさを、さまざまな角度から感じていただきたい。
ダイヤを「面」として輝かせるデザインもある。
その一方で、ジュエリー的な豪華さとはまた違う考え方で、ダイヤを使用した商品もあります。このグランドセイコー(品番STGF291)はダイヤモンドを、先ほど話した「彫り留め」というシンプルな方法で規則正しく、その角度をピタリと揃えて、時計の外周に配置しています。ひとつひとつの宝石を存在感のある「粒」として見せるのではなく、整然と並んだ宝石の集合体で「面」をつくるという発想のデザインですね。


ジュエリーウオッチをデザインしよう、ではなく。まず時計をデザインするという根本があって、そのテクスチャーの要素として宝石を使うという考え方です。セレステセッティングのようにダイヤの粒を華やかに見せるだけではなく、このグランドセイコーのように、宝石の存在感をそこまで出さない場合もあるということです。ちょっと控えめで、「インテリジェンスを秘めた輝き」といった感じでしょうか。
ダイヤモンドを「彫り留め」で規則正しくセッティングした時計を、さまざまな角度から見ていただきたい。そこには「セレステセッティング」とはまた異なる独自の美しさがある。