種を意味するSeed。
その言葉に込められた思いとは。
2022年10月からWITH HARAJUKUにて企画展活動を行ってきた「Seiko Seed」が、2025年2月16日をもって閉廊した。Seiko Seedの「Seed」とは、「Seiko Experience Engineering and Design」の略であり、「エンジニアリングとデザインで創り出した、腕時計の様々な楽しさを体験する場」という意味が込められている。その目的を果たすべく、これまで10 回にわたって展覧会を開催。技術とデザインを切り口とした企画展活動により、セイコーグループのスローガン「時代とハートを動かすセイコー」を体験する場として発信してきた。



腕時計のからくりを、美しく、
おもしろく見せられたら。
企画展のひとつ「からくりの森」では、「時を伝える」という時計本来の機能の先にある美しさ、面白さに焦点を当てた。人々にとって最も身近な機械とも言える腕時計。その中にある、普段は見ることのない小さな部品たちが外に現れ、自由自在な針の動きや、自然の美しい音を奏でる様子を、楽しみながら体感してもらう。これにより、今まで気付かなかった「時」の移ろいと表情を楽しんでいただきつつ、腕時計の仕組みや面白さ、現代に至るまで脈々と磨かれてきた「からくり」技術の広がりを伝えることができた。



歴史あるプロジェクトの復活。
現代を意識した新提案。
Seiko Seedで「power design project」の復活も実現した。当プロジェクトは2001年から2009年まで続いた、セイコーウオッチのデザイナーによる日常業務とは異なるスタイルでブランドの未来を深く考え、アウトプットを目指す試み。復活後の第一回目は、セイコーの長い歴史の中で生まれた特徴的なプロダクトや技術を、現代的な思考でウオッチに転生させた「REBIRTH <転生>」を開催。さらにその後、特定の使用者を想像することで、ある使い道に特化したウオッチを新提案する「専用すぎる腕時計展」、「専用すぎる腕時計展2」を開催。多くの来場者を集め、各メディアでも話題を集めた。



セイコーウオッチの現在を、
別角度から伝えてみる。
その他にも、セイコーウオッチのいまを様々な切り口で伝える展示を企画、開催した。例えば、機械式腕時計の特性や魅力を猫のキャラがナビゲートする「テンちゃんのひげぜんまい」、セイコー 5スポーツのスタイルをキャッチーなイラストとともに伝える「Find 5 Styles」、花と光をテーマにセイコー ルキアのブランドの魅力を伝える「LUKIA Garden」、キングセイコーの持つストーリーを漫画で熱く、楽しく表現した「駆動せよ!超戦士キングセイコー」など。いずれもウオッチの機能性やブランドの世界観に楽しみながら触れてもらえるよう、従来通りではない見せ方に挑戦した。



腕時計にワクワクする体験を、
この先もずっと。
常設ギャラリーとしての Seiko Seed は閉廊するが、場所を変えて今後もクリエイション活動は継続していく予定だ。この3年間で、作品づくりには多くのクリエイター、関係者のみなさまにご協力いただき、そのたびに新たな発見と新鮮な驚きがあった。また、ワークショップの開催によりファンの興味やニーズに気づくこともできた。それらの経験を活かし、引き続き腕時計の可能性を追い求めながら、みなさまにワクワクしていただける体験をお届けしていく。



Seiko Seed展覧会の歴史(全10回)

会期:2022年10月20日~11月20日
腕時計の中にいる小さな機械たちが外に現れ、普段は見ることのない「針が動く仕組み」や「音が鳴る構造」を楽しみながら体感できる。

会期:2023年10月13日~12月24日
現代に至るまで、脈々と進化を続けてきた「からくり」技術。それらを駆使し、時を伝えるという時計本来の機能の先に宿る「美しさ」「面白さ」といった魅力に焦点を当てた企画展。

会期:2024年10月11日~12月8日
時を正確に刻み続ける機械式腕時計の精緻な動きにインスパイアされた作品を、アート、エンジニアリングデザインの分野で活動するクリエーターたちが、それぞれの専門領域の知恵と技で作り上げた。

会期:2022年12月21日~2023年2月19日
8人のデザイナーがアイデアと想像を膨らませ、セイコーの長い歴史の中で生まれた特徴的な腕時計や技術を、7つのプロダクトに転生させた。

会期:2024年1月19日~3月31日
セイコーのヘリテージである「専用腕時計」の新提案。デザイナーの各々が愛してやまないモノ、突き詰めたいと思うモノやコトを不必要なほどに突き詰め、7つのストーリーを持つ「専用すぎる腕時計」を提案。

会期:2024年12月20日~2025年2月16日
架空の人物を含むターゲットを設定し、その人物像に想いを馳せ、頭を悩ませながら腕時計のあらゆる可能性に挑戦。6つのテーマとストーリーを表現する腕時計をデザインしている。

会期:2023年3月17日~6月18日
機械式腕時計の最も重要なパーツのひとつ「てんぷ」と、てんぷの部品「ひげぜんまい」にちなんだ主人公「テンちゃん」が、機械式腕時計を分解、修理する様子を通してその仕組みを紹介する。

会期:2023年7月7日~9月24日
2023年に55周年を迎えた、セイコー 5スポーツ。その魅力をさらに多くの人に見つけてもらうべく、会場では「覗く」「開く」「引き出す」などの「Find(探す)」をキーワードにした体験を用意。

会期:2024年4月17日~7月6日
セイコー ルキアのメインコレクション【LUKIA Grow】シリーズのデザインモチーフ「花」と、ソーラーウオッチにちなんだ「光」をテーマに、香りや光、音楽を交えた様々な展示でブランドの世界観を表現。

会期:2024年7月19日~9月23日
キングセイコーが誕生した1960年代より日本の文化の中で大きな役割を果たしてきた「ヒーロー漫画」。そのパワーを用いて、キングセイコーが持つストーリーを熱く、楽しく表現。