サンタクロース専用腕時計
とは…?

どんな専用腕時計をデザインしようかと考えを巡らせているとき、ふと、とあるアーティストが歌うクリスマスソングが聞こえてきた。頭に浮かんだのは、世界中の子どもたちにプレゼントを運ぶ、サンタクロースの姿。世界を駆け巡る彼のために専用腕時計を作るとしたら?誰にも姿を見られることなくプレゼントを届け、子どもたちを笑顔にする、そんなサンタクロースの働きぶりを想像しながらアイデアを膨らませていった。


赤いトナカイの秒針と、長針、短針で現在地の時刻を表示する。
ガラスにはSEIKOロゴと「For the happiness of all children(すべてのこどもたちの笑顔のためにプレゼントを届ける)」の思いを表現したスマイルマークを印刷。
真っ暗な夜空を飛び回り、世界中の子どもたちにプレゼントを届けるサンタクロースの活動に改めて着目してみると、様々な環境下での使用を想定する必要があった。あらゆる環境で活動する彼のニーズを満たすために、たくさんのアイデアを検討し最後に残った条件が、「夜間での時刻の判読性」「夜明けまでの残り時間の確認」「タイムゾーンをまたぐ移動時の時刻確認」「第三者に姿を見られずにプレゼントを配達する」というサンタクロースならではのもの。その条件を叶える「夜でも時間をすぐに把握でき、プレゼントを誰にも見られることなく配達することをサポートしてくれる腕時計」を目指して、デザインを進めた。
ダイヤルにはルミブライトを使用。暗闇でダイヤルが発光し、夜間の時刻判読性を高めた。
星の形をしたGMT針が、ダイヤル外周部の目盛りを指すことで第二時間帯の表示が可能。世界中を飛び回るサンタクロースが、これから向かう地域の時間を確認できる。丸みのある柔らかな曲面を使ってケースをデザインし、優しさに満ちた「サンタクロース」の存在を腕時計全体で表現。
ケースに付いたふたを閉めることでルミブライトの光が外に漏れることを防ぎ、暗闇にまぎれてプレゼントを配ることができる。
また、サンタクロースらしさを腕時計の造形で表現することにもこだわった。大らかで優しさに満ちた「サンタクロース」という存在を思い描きながら、丸みのある柔らかな曲面を使ってケースをデザイン。さらに、秒針にはトナカイを、GMT針には星を採用することによって、美しい夜空とそこに流れる静かな時間を感じられる腕時計を目指した。この腕時計を通じて、そりを走らせながらひたむきにプレゼントを届けるサンタクロースの姿に思いを巡らせていただけることを願っている。

専門家の声

公認サンタクロース 日本代表パラダイス山元さん
赤と白の帽子に衣裳、太いベルトに黒のブーツで、クリスマスイブの夜にはよい子の元へプレゼントを配る太っちょのおじさん。サンタクロースってそんなイメージですよね。でも、本当は超オシャレさんなのです。衣裳の下は、こだわりの日本製のアンダーウェア、持ちものもさりげなく銘品を身につけていますが、なかなか見せる機会はありません。毎年デンマークで開催されている「世界サンタクロース会議」には、各国から集まる公認サンタクロースで溢れかえります。パッと見た目には、どのサンタクロースも一緒に見えますが、お国柄を反映した衣裳など、ディテールの違いに目を奪われます。腕時計、懐中時計も見どころのひとつ。クラシック時計、貴金属が散りばめられたものから、トイウオッチなど、さながら時計博覧会の様相。さりげなく身につけて、それでいて皆がアッと驚くようなメイドインジャパンのサンタクロース専用腕時計!日本の公認サンタクロースはこれを待ち望んでいました!
担当デザイナー

松本 卓也
2010年、セイコーウオッチ入社。現在はプレザージュ、キングセイコーをメインに商品のデザインを担当。