確立されたスタイルを否定して
生まれた「新スタイルクロノグラフ」。
当時のセイコーのウオッチの価格としては非常識ともいえる小売価格約20万円。だが、そのクロノグラフの最も非常識な点はデザインだったと言えるだろう。担当者は当時セイコーエプソンのデザイナーだった佐藤紳二(現在セイコーウオッチ所属)。一般的なクロノグラフは、時刻表示用のメインダイヤルの中に、クロノグラフ用の小さなサブダイヤルがある。しかし彼は、それまでの常識を覆す、時刻表示ダイヤルとクロノグラフダイヤルを完全に独立させた「独立多眼式」を採用したのだ。