by Seiko watch design

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Archive Collection Vol.2

1913年に国産初の腕時計の製造を開始してからから100年以上。その長い歴史の中で生み出された数々の時計の中から、今回は、1970年代から1990年代にかけての「デジタルウオッチ黎明期」に登場した、ユニークで先進的な腕時計たちをご紹介。それらの製品に込められた、デザインの思想や工夫などについて、伝えていきたいと思います。

  • UC-2000
  • 05LC
  • Receptor
  • C359
  • T001

腕コンピュータ
UC-2000

1984年に発売された世界初のリストタイプコンピュータ。腕時計部とプリンタ内蔵のコントローラー部からなり、キーボードでBASICプログラムを入力してゲームを楽しむこともできました。2000文字までのメモ機能をはじめ、電話帳や住所録、1ヶ月先までのスケジュール管理機能も搭載。ポケットサイズのキーボード(別売)で、外出先での操作も可能です。

未来感と夢のあるデザイン

腕時計部・コントローラー部・別売キーボードは、ともに直線を基調とした箱型の筐体で、デザインテイストを統一。カラーリングはコントラストのある明暗2色のグレーをベースに、オレンジ色のボタンがアクセントとなっています。当時の未来感を表現した夢のあるデザインです。ファミコン&パソコンブームの当時、この小さなパソコンのようなデザインは非常に親しまれました。

液晶デジタルクオーツ
05LC

1973年に発売された液晶デジタルクオーツ腕時計です。シンプルな7セグメントディスプレイ採用で、秒数の表示機能はなく時分のみの4桁液晶表示でした。表示部の下側に配置されている3つのボタンは、ライトの点灯や、時刻を修正するときに使われます。この時計は製造された数が非常に少なく、現在では希少価値が高いものとなっているようです。

本体と調和するパーツたち

時計本体はUFOのような半球型で、ドーム型ケース、表示部の楕円形ガラス、3つのボタンの配置のバランスが絶妙です。そのシンプルな形状と、楕円形に切り取られた小型の表示部が見事に調和。中心部から放射状にケースに沿って配置されたボタンにも、こだわりを感じます。メッシュバンドも立体的にロー付けしており、製品の一体感を醸し出しています。

レセプター
Receptor

1990年にアメリカ国内のみで発売された腕時計です。FMラジオの副搬送波を使って信号をやりとりすることによって、天気予報などの情報受信のほか、個別メッセージの受信・表示などもできるという、当時としては非常に画期的な腕時計でした。電話でレセプター番号を呼び出すことで、返信用の電話番号や定型文を直接送信することができる仕組みでした。

多機能なのに無駄が無い

シンプルな正円を基調に生み出された、すっきり感があり、モダンなデザインの腕時計です。表示部やボタンに一体感をもたせつつ、それらのパーツが、きわめて機能的に配置されている無駄のないデザインです。アンテナを兼用した金属板を挟み込んだバンドを、ケースからシームレスにつなげるというデザインアイディアも秀逸です。

チェックメイト
カリキュレーターアラーム
C359

1979年に発売された高機能デジタルクオーツ腕時計。この商品は、ビジネスマンをターゲットにして開発されたものでした。ライト機能・アラーム機能に加え、「計算機能」を搭載していたのが最大の特徴です。計算を行なうためのボタンはとても小さくて、指では押すことができないので、この製品には計算機を操作するための筆記具が付属していました。

操作性を突き詰めた洗練

デジタル時計として当時の主流であったストリームライン型の腕時計。表示部と計算機の部分を視覚的に分離することにより、誰もが迷うことなく操作できる、機能的なデザインに仕上げられています。薄型でシャープな印象のブレスレットデザインも、機能的でありつつドレッシーな印象で、洗練された当時のビジネスマンたちの腕にふさわしい、知的な佇まいが感じられます。

TVウオッチ
T001

1982年に発売されたTVウオッチ。屋外でTV番組やラジオ番組を楽しむことを可能にした、画期的な腕時計です。当時ブームとなった、ポータブルオーディオプレーヤーとともに、「屋外で自由に映像や音楽を楽しめる時代」を切り開くこととなりました。新開発の液晶やLSIなどの技術を惜しみなく投入することにより、ユーザーのかねてからの「夢」を具現化しました。

ミニマルな面構成

TVやラジオを楽しむには、受信機に腕時計本体とヘッドホンをケーブルで接続する必要があるため、それぞれのユニットに分かれています。腕時計本体は加飾の少ないミニマルな面構成。画面の視認性向上のため、軽い傾斜がつけられ、黒い縁取りがされています。受信機も操作しやすい素直な面構成。黒地の筐体に映える赤い縦のラインが、デザインのポイントです。