by Seiko watch design

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時計づくりは「化粧」である。 by SeikoDesign Vol.3

セイコー ルキアは日本人顔? 時計にはそれぞれ顔つきがある。

腕時計というプロダクトの中心であるダイヤルを見つめると、その輪郭の中に、さまざまなパーツがひしめきあい、独自の表情をつくりだしています。見れば見るほど、人間の「顔」に近い存在に思えてくるから不思議です。ダイヤルの上にある「インデックス」(時刻を指し表すために配置された目盛り)は目のようだし、その上を通り過ぎる針は「眉毛」のよう。国産の時計は日本人っぽい顔のものが多いように思えるし、海外の時計はやはり外国人のような風貌に見えてきます。

ブランド誕生から20年以上を経て、さまざまなデザインを世に送り出しているセイコー ルキア。2017年10月に発売されたばかりのこのセイコー ルキア「SSQW037」は、上品でさりげない華やかさを感じさせる。

もちろん、ブランドによってもその顔つきは違うし、同じブランドでも、ひとつひとつ異なる顔をしている。ちゃんと個性がある。たとえば、このようにセイコー ルキアの時計を4つ並べてみると。それぞれ日本人っぽい顔つきだとは思うのですが、そこには「かわいい顔」もあれば、「凛々しい顔」「色っぽい顔」のものもあります。

SSVW037
SSVW032
SSVW097
SSVE080

さまざまな顔立ちのセイコー ルキアたち。製品を選ぶと、そのデザイン(顔つき)について、さらに詳しく知ることができます。
注:製造中止により、ご購入いただけない場合があります。

時計づくりの技に、チークあり、アイラインあり。

そしてさらに、デザイナー視点でいえば、そのダイヤルをデザインすることは、まさしく人間の「化粧」のようだと思うことが本当に多くあるのです。たとえば、私たちは複数の層を重ね合わせて、ダイヤルにうっすらとグラデーションをつけたりするのですが。これは女性の化粧の「チーク」や「ハイライト」と同じように、顔(ダイヤル)の印象をぱっと明るく、華やかにするという効果を狙っています。

このセイコー ルキア(品番SSVW030)に印刷されたローマ数字を見てください。その書体の端っこが大げさに跳ねあげられ、強調されているのがわかると思います。

専門用語で「セリフ」と呼ばれているのですが、これはメイクの時、目元にアイラインを引くことに非常に近いと思っています。どちらも、そのラインがあることで、パーツの形状をデフォルメしています。どうでしょうか、「セリフ」が無いものと見比べてみると、「セリフ」があるほうが色っぽい顔になっていると思いませんか?

before/after

ご覧のように、ローマ数字に「セリフ」をつけるかつけないかで、こんなにも印象が違ってくる。直線的な文字に、曲線的な美しさが加わる事で、女性らしい色っぽさが生まれるのだ。