by Seiko watch design

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男女別。いま人気がある腕時計の色はこれだ!

針にもインデックスにも、ケースにもバンドにも、もちろん色は存在しています。でも、時計の第一印象に最も大きな影響を与えるものといえば、やはりダイヤルではないでしょうか? 実際、形状やスペックはまったく同じ時計でも、ダイヤルの色が違うだけで、その時計の人気や売り上げは大きく変わっていきます。

そもそも、デザイナーである私たちは、ダイヤルの色を選ぶ時、何を拠りどころにしているのか?その答えは、当然ながら一つではありません。まず大きなところでは、男性用なのか、女性用なのか。ドレスウオッチなのか、スポーツウオッチなのか。どんな人が身につける時計なのか。それらの要素と、その時計の「コンセプト」を重ね合わせながら思考をめぐらせ、ダイヤルの色を決めていきます。

「用いられるすべての色には理由がある。そして、僅かな色の違いであっても、そこにはデザイナーの大きなこだわりが秘められている」と鎌田は語る。

性別でいうと、いま男性に最も人気があるダイヤルの色は「黒」ですね。それに次いで「青」でしょうか。「白」や「シルバー」なども安定して人気があります。一方、女性にいちばん人気なのは「白」で、その次には「ピンク」という感じです。

でも、当然ながら、黒といっても、さまざまな黒がある。白といっても、さまざまな白がある。ダイヤルの生地に施す塗装やメッキ処理や、コーティングの組み合わせで、理論上、数百万通りもの色を作り分けることが可能なんです。その中から、私たちはその時計にふさわしい理想の色を選んでいるのです。

人気のある盤面色 (2018年鎌田調べ)

男性に人気の色

女性に人気の色

全体に人気の色

ボタンを押して、どんな色のダイヤルが、どれくらい人気があるかのグラフを見てみよう。あなたが選んでいるダイヤルの色は多数派? それとも少数派?

国が変われば、愛される青も変わる!?

先ほどいったように、青は、男性に好まれる典型的な色のひとつです。でもこの青というのは、本当に奥が深い。ダイヤルに施す塗装のバリエーションは760種類ほどあるのですが、実はその中の165種類ほどが青系統なんです。かなりの比率を占めていることになりますね。

そこには「日本の風土や文化」も影響している気がします。周囲を青々とした海に囲まれた島国であること。古代から「藍染」による鮮やかな青が庶民たちの生活の中にも溶け込んでいたこと。日本人にとって青は昔から特別な色であり、それらの歴史を経たからこそ、私たちは青色の微妙な色合いを感じ取ることができる民族なのかもしれません。

「魅力的を感じる青」にも、実は国民性があるんです。日本人が主に好むのは、このアストロン(品番SBXB109)のような「濃紺」ともいうべき力強い青色。一方、アメリカでは、このクーチュラ(品番SSG019)のような「彩度の高い青色」の人気が高い。

これらも突き詰めていけば、きっと何かしらの理由があると思うんです。たとえば、日本では昔から「紺」や「紫」が高い身分を示す色であったことも無関係ではない気がします。

また、瞳の色の違いも、青色の感じ方に少なからず影響を与えていると感じます。青い瞳の人は世の中がどんなふうに見えているのかは想像できませんが、私と同じように見えているはずがないと思うんです。それに加えて、少なからず、ファッションをトータルでコーディネートすることに長けている欧米のひとたちは、自分の目の色にあったダイヤルの色を選ぶことも多いのだと考えています。

国によって、愛される青色が変わる。その原因は、デザインセンスの違いなのか。受け継がれた文化の違いなのか。はたまた、遺伝子に刻み込まれた本能なのか。